スペースバグオリジナルTVアニメーション

毎週日曜あさ10時30分~TOKYO MX他にて放送中

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NEWS ニュース

2018.12.06 イベント 土井隆雄さんトークショー&親子上映会イベントレポート!

「スペースバグ」を映画館で楽しめる親子上映会が恵比寿ガーデンシネマにて開催!
スペシャルイベントとして宇宙飛行士・土井隆雄さんと「スペースバグ」監督・中尾浩之によるトークショーも実施いたしました!
会場には大勢の子どもたちが詰めかけ大盛り上がり!イベントの模様をレポートしちゃいます☆

会場に集まったのは事前募集に応募した約100名の子どもたちとそのご家族の皆さん。
まず、「スペースバグ」第1話〜第6話をまとめた特別編集版を上映しました。
ミッジやマルボ、ハカセたちの冒険にハラハラドキドキ!大きなスクリーンで大迫力のアクションを楽しみました!

 

休憩を挟んだ後、いよいよトークショーがスタートです!
司会からの紹介で土井隆雄さん、中尾浩之監督が登壇すると会場からはおおきな拍手が起こりました。
中尾監督は、普段はドラマや映画のお仕事が主で、TVアニメの監督は「スペースバグ」が初めてだそう。
土井さんは、今は京都の大学で学生の皆さんと一緒に人間が宇宙に展開するための学問を作っているそうです。
(以下、土井さん、中尾監督と表記させて頂きます。)


司会「土井さんには事前に『スペースバグ』をご覧いただいたんですよね?」
中尾監督「僕は宇宙に行った事が無いので…(笑)。無重力空間の表現とか結構想像で作ってしまったところもあるので今日つっこまれないか緊張しています。」
土井さん「ドキドキワクワクする冒険アニメでとても楽しんで見れました」
中尾監督「良かったです(笑)。無重力ってもちろん経験したことがないですし、一体どんな感じなんだろうと思いながら脚本を書いたんですが、実際はどういう空間なんですか?」
土井さん「無重力っていうのは、とっても楽しい空間なんです。三次元の空間を自由に動くことが出来て、スーパーマンみたいな感じです。空を飛んでいるみたいな感じですね。
『スペースバグ』のカエルちゃんが泳いでるシーンなんか実際の無重力状態に非常によく似てました。進行方向から横に抜けようとすると泳ぐしかない。ただ、水の中と違って、空気というのは1000分の1ぐらいの重さしかないんですね。なので水より1000回余計にこがないといけないわけです(笑)。ものすごく体力を使います。なので私達は(空気を)こがないで壁をすっと押すんですね。そうすると楽に動けるわけです。」

司会「今日は土井さんから実際の宇宙ステーションの中で撮影した動画をお借りしています。」
土井さん「これは皆でスーパーマンごっこをしています。(笑)」
中尾監督「すごい、飛んでますね(笑)。これって慣れるまでに時間がかかるものなんですか?」
土井さん「そうですね、訓練していないとまっすぐ飛べないかもしれないですね。自由に動き回るようになるように慣れるまでには大体1週間ぐらいかかります。最初に行ったときはこう、赤ん坊がハイハイするようなもので向こうの壁にぶつかってしまったり、回転してしまったりなかなかうまく動けないもんです。」

 

中尾監督「あと汚い話ですみません、こういう宇宙ステーションの中でトイレってどうしてるんですか?(笑)」
土井さん「西洋式のトイレを使ってます。地上のトイレと違うのはおしっことかうんちを貯めるところが真空状態になっていて吸い取るような感じになっています。なので出したものが自動的に吸い込まれていきます。あと、体を固定しなければいけないので、こう、ふともものところを固定するバーみたいなものがあって浮かないようにしています。」
中尾監督「宇宙に行って便秘になったりしないですか?」
土井さん「なりますなります(笑)。下痢になったり便秘になったり。地上と一緒ですね。」
中尾監督「一緒なんですか!」
土井さん「そうですね、忙しくて寝不足の日もありますね。調子悪いなーなんて日も。疲れてると地上だと顔がむくみますよね。宇宙だとそれが顕著で、ムーンフェイスなんていいますけど、顔がパンパンになったりします。」

 

司会「そういった日常をすごされる、宇宙ステーションはどんなところなんでしょうか?」
土井さん「だいたいサッカー場と同じような広さですね。人が住んでるのは真ん中の細いところです。様々な国のモジュールが合体してるんですが、15の国が参加してこの宇宙ステーションを作りました。」
司会「宇宙ステーションのドッキングの様子も映像をお借りしました。」
土井さん「そうですね、この時は先に3人が宇宙ステーションに滞在しているところに私達7名が乗り込みました。今現在は6人滞在しています。中は実験装置がたくさんあってゴチャゴチャしています。どんな感じですか?とよく聞かれるんですがオモチャ箱にいるみたいです、と答えています。」
司会「ミッジたちの宇宙ステーションはだいぶ整頓されてたんですね(笑)」
中尾監督「違うんですよ!本当はこうしたかったんですけど、CGのプロダクションからそれだけはどうしてもやめてくれって言われちゃったんです!(笑)」
土井さん「確かに、再現するのは大変ですね(笑)」

 

司会「少し訓練のお話もでましたが、宇宙飛行士になるのって大変なんじゃないでしょうか…?」
土井さん「そうですね、ただ宇宙飛行士になるのにもっとも大事なことは、元気なこと。まず元気なのが第一ですね。それからクヨクヨしないこと。いっぱい難しいこともやってたくさん失敗もするんですが、いちいちクヨクヨせずに、絶対宇宙に行くんだ、やり通すんだという気持ちを持つことが大事ですね。」

 

中尾監督「土井さんは何歳ぐらいから宇宙に行こうと思ったんですか?」
土井さん「僕が宇宙に興味を持ったのは中学生ぐらいの時でしたから、ここにいる皆さんよりはもう少し大きくなってからかな。」
中尾監督「その時から絶対宇宙飛行士になろう!と決意してたんですか?」
土井さん「宇宙に行きたい!と思ったんですね。その頃にはまだ日本には宇宙飛行士という職業がなかったので、漠然と宇宙に行きたいな、と思ってましたね。」
中尾監督「それを実現したのがやっぱりすごいですよね」
土井さん「やっぱり宇宙に行きたいという気持ちですね、その気持ちを持ち続ける事が大切かなと思います。自分の夢だし、自分のやりたい事だから、持ち続けやすいですね。監督が映画を作りたい、アニメを作りたいと思われる気持ちと一緒だと思います。」
中尾監督「僕もちょうど中学生ぐらいの時から映画監督になろうと思い始めましたね、そういえば。ちょっとうれしいですね。」


司会「ジョンソン宇宙センターでの訓練の様子も、映像をお借りしています。」
土井さん「これはプールですね。船外活動中の服はすごく重いので、プールの中で訓練します。これは実際の訓練の様子なんですが、サポートチームだけで30人近くの人数が参加しています。」

司会「当時土井さんおいくつぐらいの時ですか?」
土井さん「私が43とかそのぐらいのときですかね。訓練に使っている宇宙服は実際宇宙に行った服なんですが、訓練用に再利用されています。宇宙空間でも使えるし、水の中でも使えます。1回の訓練は約6時間ぐらいでしょうか。
中尾監督「長いですね!」
土井さん「長いですが、実際の船外活動は8時間なのでもっと長いです。体力的にはきついので、肉体的なトレーニングも重要です。」

 

実際に宇宙で撮影された映像やリアルな宇宙のお話に会場の子どもたちは大興奮!当日は、質問コーナーもあり、素朴な疑問がいっぱい出ました!

質問「日本で訓練する場所はあるの?」
土井さん「ありますよ。茨城県のつくば市にある筑波宇宙センターというところに訓練施設があって、そこには世界中から宇宙飛行士が集まって訓練をしています。」
中尾監督「世界中から来てるんですか?」
土井さん「世界中から来るんです。というのは、宇宙ステーションには日本のモジュールがあるので、その訓練は日本でやることになってるんです。なので、日本だけでなくアメリカもヨーロッパもロシアも色々なところから日本のモジュール用の訓練をしに筑波にやってきます。」
司会「英語がしゃべれないと大変ですね。」
土井さん「そうですね、英語はしゃべれるようになったほうが良いですね。それからロシア語も大事です。がんばって勉強してね。」

 

質問「どうやってロケットを作るんですか?」
土井さん「作り方かぁ(笑)。うーん、実はロケットっていうのは簡単なんですよ。飛行機の方が難しい。どうやって作るかっていうと、ロケットのお腹の中に燃料を詰め込んで、それをこう、燃やすところがあるんですね。そこに酸素を詰めて、一緒にすると燃えます。燃える時に出るガスがお尻から吹き出るんです。おならみたいな感じですね(笑)。そうすると、飛んでいきます。
ジェット機と何が違うのかというと、ロケットは酸素を持ってるんです。ジェット機は空気中から酸素を取り入れて燃やしてます。だから大気圏から外には出られません。ロケットは自分で酸素を持っていってるので、酸素がない宇宙空間でも燃料を燃やして、前に進むことが出来ます。ちょっと難しかったかな?」

 

質問「宇宙飛行士になるためのテストはどんなのがありますか?」
土井さん「宇宙飛行士を目指してるのかな?まずは、健康診断をしないといけないですね。全部OKをもらわないといけないので体が健康でないといけない。次には算数とか、国語とか、社会とか、そういうテストがあります。なので学校の勉強もがんばるといいですね。もう1つは英語のテストがあります。だから英語もしっかり勉強して、外国のお友達と喋れるようになるといいですね。がんばってね。」

 

質問「宇宙から地球に戻ってきたときに一番食べたかったものはなんですか?」
土井さん「戻ってきたときに、一番食べたかったのはラーメンでした(笑)。ただ戻ってきたところがアメリカなのでラーメンがなくて、ハンバーガーになりました(笑)」
中尾監督「あはは。ちなみに宇宙食ってどんなものが出るんですか?」
土井さん「宇宙食は、いまやアメリカやロシアや日本、いろんな国の宇宙食があるんですね。日本の宇宙食はカレーライスとか、おせんべとかそういうものもありますし、アメリカの宇宙食はインスタントでお湯や水をいれてしばらくたつと飲めるようなスープとか野菜の詰め合わせとか…色々な種類があります。」
中尾監督「じゃあ今ならラーメンもあるかもしれませんね。」
土井さん「実は当時も宇宙食にちゃんとラーメンがあったんです、ただインスタントなのでね…生のラーメンが食べたかったんです(笑)。今は昔とちがってだいぶ宇宙食の種類が増えて環境が良くなってますね。」

 

質問「月か火星に行ってみたいですか?」
土井さん「あなたは行きたいのかな?(うなずいたのを見て)なるほど。月はね、もうすでに人間が行ってるのでそんなに難しくないです。3日間で行けるので1週間あれば行って帰って来ることができます。火星はまだ人間が行ったことがないのでもうちょっとがんばらないとですね。時間がかかりそうですが、それも技術的な問題なのでまあ10年から15年の間に行けるようになるでしょうね。」
中尾監督「実は『スペースバグ』の本編にこのあと火星が出てきますので楽しみにして下さい。」

会場からはまだまだ質問があるようでしたが、残念ながらここで時間切れ。最後に土井さん、中尾監督からご挨拶をいただきました。

中尾監督「朝も早くからご覧頂きましてありがとうございます。本物の宇宙飛行士の方にどう突っ込まれるかと緊張していたんですが、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。この後も放送は続いてどんどん地球に近づいて行きますのでぜひ楽しみにご覧いただければと思います。」

 

土井さん「今日は皆さんと一緒に『スペースバグ』を見て、宇宙の話ができてとても嬉しかったです。『スペースバグ』、僕はもう少し先の方まで見てるんですが、いろんな惑星に行ったり、登場人物が増えたり、とても楽しめる作品です。同時に、とてもいい宇宙の勉強になるんですね。とてもワクワクするアニメなので皆さんもぜひおうちで見てくださいね。」

 

中尾監督「最後に、さっき土井さんとお話していて、とても印象的だったのでぜひ皆さんにもお聞きいただければと思うのですが、土井さんはどうして宇宙に行かれるんですか?」

土井さん「そうですね、宇宙に行くと地球の素晴らしさがよく分かるんです。宇宙から見た地球というのは青く輝いてとても美しい惑星です。その青さは水があるからなんですが、この地球が生まれたこと、そして私達が存在していることは奇跡の惑星なんだと思います。その事が宇宙に行くととても良くわかります。外国に行くと日本の素晴らしさがよく分かるのと似ています。ぜひ皆さんにも宇宙に行ってもらいたいなと思います。」

中尾監督「素晴らしいですね。」

土井さん「あともう1つの理由は、そこに宇宙があるからですね。宇宙っていうのは地球ももちろんその中にいるんですけど、無限に広がっている世界なんですね。無限に広がっているから、なにか僕たちが知らなかったものもあるかもしれないし、新しい発見がそこにはあるかもしれない。知らないで過ごしているのはとてももったいないかなと。僕は宇宙には無限の可能性があると思います。それが、僕が宇宙に行く理由のひとつです。」

 

大きな拍手に包まれてトークショーは無事終了!
しかも、イベント終了後には、会場入り口で土井さんに少しお時間をいただきました。子どもたちはキラキラと目を輝かせて、記念撮影をしたり、図鑑にサインをもらったり、イベントで聞けなかった質問をしてみたり、心温まるハートフルなイベントとなりました。

『スペースバグ』はこれからも子どもたちの夢を応援していきます!